OB訪問の目的
就活におけるOB訪問の目的は、以下のような点が挙げられます。
- 仕事内容や社風などの情報収集
企業のウェブサイトや求人情報では得られない、 企業の実際の業務内容、社風、働く人々の価値観などを深く理解するため。 これにより、自分が本当にその企業で働きたいかどうかを判断する材料を得ることができます。 また、企業の強みや弱み、業界の動向など、企業研究をより具体的に行うための情報を得ることができます。
- 働き方などの情報収集
働き方、ワークライフバランスなどの情報を収集するのも大事な目的です。 差し当たりないようでしたらプライベートをどのように過ごしているのかを聞いてみるのも良いでしょう。 ある程度の関係性が築けたら、給与面や休日なども質問してみましょう。
- 自分に合う職種・業界の探求
自分の興味・適性に合う職種や業界を探るための重要な手段です。直接、現場で働いている人から話を聞くことで、自分に合うかどうかの判断材料を得ることができます。
- 面接対策
OB訪問を通じて、企業の求める人材像や採用試験の傾向、面接でのポイントなど、採用選考における有益な情報を得ることができます。
- ネットワーキング
OB訪問は、将来的に業界内での人脈を築く良い機会でもあります。印象に残る訪問を行うことで、入社後のメンターや先輩としての関係を築く基盤を作ることができることもあります。
- 自己分析の深化
自分が何を重視し、どのような職場で働きたいのか、自分自身の価値観と企業の価値観が合致するかどうかを確認する良い機会でもあります。
- キャリア設計
OB訪問は、単に企業の情報を収集するだけでなく、さまざまな人のキャリアや人生設計を知る貴重なきっかけにもなります。社会に出て働いている人だからこそ分かる人生観や働き方、企業文化に対する理解は、自分の将来像を考える際の重要なヒントになるでしょう。これは、自分がどのような働き方を望んでいるのか、どのような企業文化に合致しているのかを深く理解するための基盤となります。 入社前後で変わったイメージについて尋ねるのも良いでしょう。企業に対する印象は、外から見るのと実際に働いて中から見るのとでは大きく異なることが多いからです。入社前に描いていたキャリアプランや将来像が、実際に働いてみてどのように変化したのか、その変化の要因は何だったのかを知ることで、自分がどのような環境で働きたいのかをより具体的にイメージすることができます。 入社前に描いていたキャリアを実現できる環境なのかを確認しておけば、「入る前のイメージと全然違った」という入社後のギャップを減らせます。このギャップが大きいと、新しい職場での適応が困難になることもあるため、事前に確認しておくことは非常に重要です。 さらに、OB訪問では、企業の成長戦略や業界の動向、自分が希望する職種の今後の展望など、将来のキャリア形成に必要な情報も得ることができます。これらの情報は、自分の長期的なキャリアプランを描く上で欠かせない要素であるため、注意深く聞いておくとよいでしょう。
- コミュニケーション能力のアップ
OB訪問は、自分のコミュニケーション能力や人脈形成のスキルを高める絶好の機会でもあります。
- アピール、印象形成
良い印象を与えることができれば、採用選考においてもプラスに働くことがあるかもしれません。
これらの目的を達成するためには、訪問先の企業や業界、自分の興味・関心に応じて、適切な質問を準備し、 礼儀正しい態度で訪問を行うことが重要です。
OBOGの探し方
大学で知り合った先輩
サークルやゼミなどで知り合った先輩にコンタクトを取ってみるのも良いでしょう。その先輩たちの知り合いまで範囲を広げられれば、 自分の志望する企業のOBOGにつながることが出来るかも知れません。給料や休日、残業の実態など踏み込んだ質問も出来ることがメリットです。
キャリアセンター
キャリアセンターでは卒業生の連絡先を提供してくれることもあるため、OBOGに連絡を取ることが比較的容易です。 そして、大学が提供する情報は信頼性が高く、安心して訪問先を選ぶことができます。 また、OBOG訪問のアポイントメントの取り方や訪問のマナーなど、初めての人にも丁寧に指導してくれることもあります。
しかし、キャリアセンターが提供する情報は、その大学と関連の深い企業や卒業生に限定されることがあるため、 訪問先の範囲が狭くなる可能性があります。 また、キャリアセンターの方針に沿った活動の範囲に限定されるため、自分の興味や方向性と合わない場合があるかもしれません。 多くの学生がキャリアセンターを利用するため、希望する卒業生にアポイントメントが取りづらい場合があるかもしれません。
企業説明会
企業説明会に参加して、担当している社員の名刺をもらい、OBOGにつなげてもらう方法もあります。 イベント会場などで開催される合同説明会で名刺をもらうのはハードルが高いかも知れませんが、 大学で開催される企業説明会などでは、名刺をもらうことは比較的容易だと思われます。 成功確率は低いかもしれませんが、自分の力で少しずつネットワークを作っていく感覚が得られるでしょう。
企業の人事部
志望している企業に対して、OBOG訪問の希望を伝える方法として、人事部門への直接の連絡が考えられます。この連絡は、電話やメールなどの手段を通じて行うことが一般的で、自分が特に興味を持っている企業に対して、自らの意志を明確に示すことができるのがこの方法の特徴です。直接企業に連絡することで、OBOG個人を探すための時間や労力を大いに節約することが可能となります。 しかし、すべての企業がこのような個別の連絡に対応してくれるわけないことに留意しましょう。
ただ、対応してもらえた場合のメリットは大きく、確実にその企業で働いているOBOGに直接出会うことができるのです。このことは、社員しか知らない情報を正確に得る上で非常に有効な手段となり得ます。
OBOG訪問の際、態度や言動には十分に注意を払う必要があります。失礼な態度や不適切な言葉遣いをとれば、当然のことながら評価が下がることとなり、その後の選考にも悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、礼儀正しく、かつ自分の意志をしっかりと伝えることができれば、好印象を残すことができるでしょう。その結果、選考が有利に進展する可能性も十分に考えられるのです。
OBOG訪問サービス
OB訪問に特化したサービスは役に立つと思われます。 社会人はOBOG訪問を受け入れることを前提にサービスに登録しているため、マッチング率は高めです。
その中でもMatcherは、社会人4万人(2023年8月現在)ほどが登録されている、 最大級のOBOG訪問サービスと言えるでしょう。
Matcher(マッチャー)では、既存のOB訪問の敷居を低くし、所属大学や学年に関わらずOB訪問ができる全く新しいサービスです。大学や学年に関係なく気になる企業の気になる人にOB訪問ができるので、積極性さえあればたくさんの社会人に話を聞きに行くことができます。従来のOB訪問では、見ず知らずのOB・OGにメール・電話をしなければならずどこか申し訳なさを感じるものでしたが、Matcherではその必要がありません。登録してくださっている社会人はどの方もOB訪問を受け入れることを前提で登録してくださっています。メールや電話も必要なく、チャット機能でカジュアルに日程調整や場所決めをすることができます。
その他には下記のサービスが候補となるでしょう。
- ビズリーチ・キャンパス
- OBトーク
- HELLO,VISITS
SNS
OBOG訪問を目的としていないのでマッチング率は高くないが、社会人も多く登録しているSNSでOBOGを探す手もあります。
下記のSNSなどが候補となるでしょう。
- yenta
就活エージェント
就活エージェントを利用するのも良いです。 メリットとして次のものが挙げられます。効率的なマッチング。 就活エージェントは、学生の希望や適性に合ったOBOGを効率的に紹介してくれる。自分で探すよりも時間と労力を節約できる。 専門的なサポート。 就活エージェントはプロのキャリアカウンセラーが在籍していることが多く、OBOG訪問の準備やフォローアップについて専門的なサポートを受けられる。 幅広いネットワーク。エージェントは多くの企業と連携しており、自分では接触が難しいOBOGとも繋がることができる。 信頼性の確保。エージェントを通じて訪問を行うため、OBOGの信頼性や誠実さが一定程度保証される。
デメリットとして次のものが挙げられます。
費用。一部のエージェントでは、サービスの利用に費用が発生することがある。無料のエージェントもあるが、場合によっては高額な費用がかかる場合もあるので注意が必要である。
個人のニーズに合わない場合。エージェントが提供するサービスが自分の具体的なニーズや要望に合わない場合もある。自分で直接探す方が適切な場合もある。
プライバシーの懸念。エージェントを通じてOBOG訪問を行う場合、個人情報を提供する必要がある。プライバシーの取り扱いについては慎重に確認する必要がある。
選択肢の制限。エージェントが提供するネットワーク内でのOBOG訪問となるため、自分で直接探すよりも選択肢が制限されることがある。
OB訪問の準備
- 事前リサーチの方法
- 服装とマナー
- 訪問日程の調整
OB訪問での質問内容
-
はじめに
OB・OG訪問に行くときに何を聞けばいいのかわからないと感じる人は少なくないであろう。 どんな質問をすればいいのか、知りたい人も多いはずである。OB・OG訪問は、目の前の選考フローのみならず、 将来のキャリア形成において非常に重要なステップであるため、質問の内容は慎重に選ぶべきである。 OB・OG訪問で何を得たいかという目的に合わせて、実際の質問例も交えながら、質問のポイントを紹介する。 このガイドを通して、効果的な質問の仕方や、訪問の際のマナーなど、OB・OG訪問を成功させるための具体的な方法を学ぶ ことができるだろう。
自分自身で調べることによっても分からない問題に対してのみ質問をするべきであるというのが、OB・OG訪問の基本的な姿勢である。 企業のサイトや配布されるパンフレットなどを閲覧するだけで容易に解明できるような質問をすることは、極力避けるべきである。このような簡単な質問をすることによって、OB・OG訪問の真の意義が失われる恐れがあるからである。
OB・OG訪問は、何でも教えてもらえる便利な場所ではなく、あくまで業界や企業への理解をさらに深めるために行うものであるという認識が重要である。自分で調べて分かることはあらかじめ理解しておくべきであり、その上でどうしても分からないこと、つまり調べても解明できない問題に対してのみ、OB・OGに質問するべきである。
選考の質問内容の話や志望動機の添削を受けることも可能であるというのが、OB・OG訪問の魅力の一つである。業界・企業に関する話だけではなく、選考に関する話も聞くことができる。OB・OG自身が過去に学生として企業の選考を突破しているため、選考の評価ポイントや面接での質問内容を教えてもらえる可能性がある。さらに、自己PRの添削を依頼することもできる。実際に選考を突破したOB・OGによる評価によって、志望動機が企業の特徴をよく理解した内容であるか、説得力があるかどうかを確認することができるのである。
OB・OG訪問をする前に、当日する予定の質問に対して回答を想定しておくべきである。OB・OG訪問当日は、学生からの質問を中心に会話が進むことが一般的である。この際、質問に対してどのような回答が想定されるかを事前に考えておくことが求められる。当日、質問をして「そうなんですね。」と単に納得してメモするだけでは、真に聞き出したい情報が得られない可能性がある。相手の回答をいくつか想定して、他に聞きたいことをリストアップしておくべきである。
OB・OG訪問先の社員は、採用担当以外のケースが多く、面談のプロではないことが一般的である。そのため、自分自身が面談を主導し、聞きたいことが聞き出せるように準備する必要がある。このような準備を通じて、OB・OG訪問がより有意義なものとなるであろう。
OB訪問の実施
- 訪問の流れ
- 効果的な質問の仕方
- 訪問中の注意点
-
OB訪問後のフォローアップ
- 感想と反省
- お礼状の書き方
- 長期的な関係の築き方
よくある質問と解決策
- よくある問題点
- 解決策と対処法
実例とインタビュー
- 成功例の紹介
- 失敗例の分析
- 専門家によるアドバイス
便利なリソースとツール
- OB訪問のチェックリスト
- 推奨文献とウェブサイト
- サンプルのお礼状